義足と義手のリハビリテーション

切断のリハビリテーション医療

2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

サイバスロンとBionicMの義足

サイバスロンという義肢を装着した状態で日常生活のパフォーマンスを競う大会がスイスで行われました。 この大会は義肢部門だけでなく電動車いすやブレイン・マシン・インターフェース部門もあります。 最先端の技術がヒトの生活にどれくらい役立てるかを競…

義足ユーザーは体重を定期的に測定することが大切

義足ユーザー(切断者)は自身の体重を管理しておくことが大切です。 なぜかと言うと、体重が断端の大きさを間接的に示す数少ない指標の一つだからです。 断端の大きさはソケットとのフィッティング(適合)に影響します。 私の感覚では2〜3kgくらいの増減な…

能動義手のVC(随意閉じ式)手先具

能動義手のVC(随意閉じ式)の手先具を試しました。上の写真の右側のものです。VCはVoluntary Closingの略です。 今回とある業者さんにお借りして作業療法士とともに試させてもらいました。 左側の写真はVO(随意開き式)で、日本で使われている能動義手フッ…

義足リハに適した平行棒とは?

リハビリに使う平行棒は各社から販売されていますが、義足リハに適した平行棒とはどんなものなのでしょうか? まず義足で歩く場合、義足が地面に擦ってしまわないように気をつける必要があります。 特に大腿義足でこれは大切なことです。 大腿義足歩行では、…

【義足処方例】下腿切断(K1レベル)カフベルト懸垂

80代男性 糖尿病合併 Kレベル:K1 目標移動能力:屋内をピックアップ歩行器を使って義足歩行自立 義足の着脱を自立することやシリコーンライナーの管理を自立することもリハビリの大きな目標の一つでした。 約3ヶ月で目標を達成して退院されました。 1D10ダ…

肩甲骨 6種類の運動方向

肩甲骨の動きを整理してみます。 肩甲骨の動きはなかなか普段意識することがないかもしれません。 義手、特に肩能動義手や上腕能動義手を操作をする際に肩甲骨の動きは重要です。 日本整形外科学会や日本リハビリテーション医学会が監修する関節可動域の定義…

低活動の下腿義足(仮義足)でカフベルト懸垂を推奨する理由

世の中で一番よく使われているのはピンロック懸垂という懸垂方法ですが、低活動下腿切断者はPTBカフベルト懸垂の方が安全と考えています。 その理由は、低活動の糖尿病患者さんはピンの向きを適切に合わせる、ライナーの先端空気を入れないようにライナーを…

糖尿病下腿切断者に適したライナーとは? 糖尿病患者さんは皮膚が弱いという誤解

糖尿病を原因とした切断者の断端は、皮膚が弱いから特別柔らかい素材のライナーにした方がよい!?といった話を聞くことがあるのですが、これは違うと私は思っています。 皮膚そのものが弱いというわけではなく、皮膚に感覚障害を伴っているため痛みを感じに…

切断術後のソフトドレッシングにはスタンプシュリンカーを推奨します

切断術後の仮義足リハビリテーションではソフトドレッシングといって、断端を適度な圧で圧迫するという治療が行われます。 目的は断端の成熟(腫れを引かせる)を進めるためです。 今年の5月にこちらに記事にしました。 gisokutogishu.hatenablog.com この時…