義足と義手のリハビリテーション

切断のリハビリテーション医療

低活動の下腿義足(仮義足)でカフベルト懸垂を推奨する理由

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世の中で一番よく使われているのはピンロック懸垂という懸垂方法ですが、低活動下腿切断者はPTBカフベルト懸垂の方が安全と考えています。

その理由は、低活動の糖尿病患者さんはピンの向きを適切に合わせるライナーの先端空気を入れないようにライナーを装着するといった適切な履き方ができないことがしばしばあるからです。

ピンロック懸垂でこのように履き方を間違えるとPTBカフベルトよりも断端末に水疱ができやすいです。水疱はさらにひどくなるとえぐれた傷になります。

さらに言うと、ピンロック懸垂では義足側にしっかり体重をかけてピンを最後までソケットの中に入れなければいけません。これができないと義足が外れたりしてることがあり、危ないからです。

以上より私の勤務先ではまずPTBカフベルト懸垂で始めて、患者さんに応じてピンロック懸垂で大丈夫な方にはチェックソケットからピンロック懸垂に変更するようにしています。

切断直後の断端がデリケートな時期はピンロック懸垂よりPTBカフベルト懸垂のほうが段端末に優しいということもあります。

活動レベルが中活動以上の患者さんたちであれば、だいたいピンロック懸垂で問題ないと思います。

義足6A40ロックアダプター懸垂

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