義足と義手のリハビリテーション

切断のリハビリテーション医療

仮義足リハにおけるシリコーンライナーの選択

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私が仮義足(訓練用仮義足)でよく処方している下腿義足のシリコーンライナーを紹介します。

患者さんの状態に合わせて上の4つから選択することが多いです。

 

切断したての断端にはやわらかいライナーや膝を曲げやすいシリコーンライナーの方が断端に優しくていいと思います。

装着のしやすさはシリコーンライナーの自己装着が難しい人にとってメリットが大きいです。高齢者はきちんとシリコーンライナーを履くのが難しいことがあります。そういう場合は6Y75を処方しています。

 

義足の懸垂方法に関して高齢者や低活動者ではピンロック懸垂よりもカフベルト懸垂の方がいい場合が多々あります*1が、その場合はクッションライナーというものを使います。

基本的にデルモクッションウェーブライナーを処方していますが、指が不自由な方にはロールオンしやすい6Y75を処方します。6Y75はピンロック懸垂用ですが、ピンを外せばカフベルト懸垂でも使えます。

皮膚がとてもデリケートで傷ができやすいような場合や、指が不自由な超低活動者には6Y92コポリマーライナーを処方しています。オットーボックのコポリマーライナーはロールオンしやすい(履きやすい)ですし、デルモよりも柔らかくて皮膚に優しいです。

 

基本的にシリコーンライナーは柔らかいものよりも硬いものの方が義足のコントロール性はいいです。

仮義足リハで処方するライナーは断端保護効果を重視して柔らかめのものを処方していますが、高活動で断端が丈夫な方は本義足でもう少し硬めのライナーであるICEROSS® シナジーのようなものを選択してもいいと思います。

 

今回紹介したシリコーンライナー