義足と義手のリハビリテーション

切断のリハビリテーション医療

糖尿病下腿切断者に適したライナーとは? 糖尿病患者さんは皮膚が弱いという誤解

糖尿病を原因とした切断者の断端は、皮膚が弱いから特別柔らかい素材のライナーにした方がよい!?といった話を聞くことがあるのですが、これは違うと私は思っています。

皮膚そのものが弱いというわけではなく、皮膚に感覚障害を伴っているため痛みを感じにくく、そのため傷ができやすいのです。(細かいこと言うと、糖尿病は発汗障害も伴うのでそれにより傷ができやすくなるということはあります)

 

傷ができる原因で一番重要なのは、結局のところ適合不良アライメント不良です。傷ができるならこの2つを見直さなくてはいけません。

糖尿病の患者さんは、自身で病気のせいで傷ができても気付きにくいことを自覚しなくてはいけません。そして断端をまめに観察すること、体重を一定に保つことを心がけなくてはいけません。

義足の履き方が正しいかも大切なポイントです。義足に慣れて(いい意味ではありません)いい加減なライナーの履き方で義足を装着している方はよく見かけます。

椅子に座っている時に膝を曲げて同じ姿勢でい続けたために断端に傷ができたケースもあります。感覚障害があって痛みを感じにくいので足の位置を変えるタイミングが分かりづらいのです。

ですから、装着すべきライナーは糖尿病以外で切断になった方々と同じでよいと考えます(硬いライナーはダメです)。

私の勤務先で使っている仮義足(下腿義足)用のシリコーンライナーは原則これです。

www.p-supply.co.jp

やわらかくて膝が曲げやすいのが特徴です。切断後初期に適したライナーだと思います。

症例によってコポリマーライナーというさらに柔らかいライナーを使うこともあるのですが、ほとんどはデルモウェーブで十分です。

www.ottobock.co.jp