義足と義手のリハビリテーション

切断のリハビリテーション医療

義足リハビリの入院期間(2021年1月更新)

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義足の種類と構造 | Ottobock JP

今日は回復期の義足リハビリテーションの入院期間について書きます。転院前の面談で必ず私が患者さんにお伝えしていることです。

長いと感じるか短いと感じるかは人それぞれですが、だいたいこれくらいの期間がかかっていて、この期間を外れることは少ないです。

まず、入院期間は切断レベルによって異なります。

下腿義足

2〜3ヶ月

若い外傷の方のように高活動な方は2ヶ月くらいで退院できます。

糖尿病やASOの方は3ヶ月くらいかかることが多いです。

入院中に断端に傷ができたりすると、リハビリの進みが遅れるので入院期間も伸びます。

大腿義足

3〜4ヶ月

膝継手のコントロールに加えて体作りに時間がかかります。

特に膝継ぎ手は遊動のものを選択するとその習熟に時間がかかります。

外傷や腫瘍で切断になった方の場合は、身体機能がもともと高い方も多いので、その場合は3ヶ月くらいで退院できます。

糖尿病やASOの方はやはりもう少し時間が必要で、4ヶ月くらいかかることも多いです。

股義足

4〜5ヶ月

大腿義足よりもさらにコントロールしなければいけない関節が一つ増えるので、リハビリはもっと大変になります。

股義足はフィッティングやアライメントの調整も難しいです。

回復期リハビリテーション病棟の入院期限ぎりぎりまで入院してることも多いです。

 

切断原因、年齢、合併症により差はありますが、だいたいこんな感じです。

できるだけ早く退院してもらうことを考えつつ、100名以上の下肢切断者を回復期リハビリテーション病棟で受け入れてきた結果です。

切断患者に関わる方々の参考になれば幸いです。