これは主に高齢者、糖尿病、ASOを合併している低活動下肢切断者での話です。
低活動下肢切断者では退院後しばらくすると歩けなくなる、義足が装着できなくなることが少なくありません。
外来フォローも必要ですけど、それだけでは足りません。地域で見ていく工夫が必要です。
そこで導入するといいのが介護保険制度です。
介護保険は65歳以上であればどなたでも導入可能です。糖尿病で切断に至る患者さんは三大合併症(腎症、網膜症、神経障害)を合併していることがほとんどなので65歳未満でも40歳以上であれば導入可能です。ASOも同様に特定疾病になっているので40歳以上であれば導入可能です。
私が低活動下肢切断者においてできるだけ導入するようにしているサービスは住環境の整備、訪問リハビリテーション、訪問看護です。
自宅退院を目指すにあたり、住環境のチェックは重要です。入院後、ご家族に自宅の様子を写真で撮ってもらい、それを元にリハビリのメニューも考えていきます。何cmの階段が何段あるなんていう細かい情報も退院するためには重要だったりします。
入院して回復期リハビリテーションを進めていく中で、退院の目処が立ってきた頃に家屋訪問に行くようにするといいです。そこでOT、PT、ケアマネと話し合って福祉用具は何を導入するか、訪問リハビリが必要か、訪問看護が必要かといったことの細かい部分を詰めていきます。
福祉用具は手すり、ベッド、シャワーチェア、(バスボード)、(浴槽台)あたりを導入することが多いです。
訪問リハビリはとても重要なので、ご自身だけであまり動けないような方はできるだけ導入したほうがいいです。
高齢者であればデイサービスを利用するのもありです。
訪問看護は糖尿病で切断になった方、特に残った方の足に傷があるような方は(仕事していると難しいのですが)できるだけ導入したほうがいいです。
課題は訪問リハビリを担当してくれるPTさんと義足の製作を担当してれているPOさんとの連携です。ここの情報共有もとても大切だと思います。