義足と義手のリハビリテーション

切断のリハビリテーション医療

【下腿義足】RAを合併した高齢者の下腿義足

関節リウマチ(RA)、糖尿病、ASOを合併した高齢患者さんの下腿義足の処方例です。

活動レベル*1はK1で超低活動です。

回復期リハ病棟入院までに要した期間も長く、廃用が著しく進んでいました。

RAによる健側下肢の関節変形もリハビリのネックとなっていました。

RAのように関節痛のある疾患を合併していると、リハを強化したくてもできずジレンマに陥りますね。

現実的なゴールは屋内を歩行車歩行もしくはつたい歩きで、屋外は車椅子で移動することでした。

それでも最終的に患者さんに「前の病院ではもう歩けないと言われていたのに少しでも歩けるようになって、ここに来てよかったです」と言っていただけたことが私としては嬉しくてとても印象に残っています。

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処方のポイントです。

関節リウマチで手にも障がいがあったため、PTBカフベルト懸垂クッションライナーの組み合わせにしています。

膝関節が外反変形していたため、外転角をつけています(角度のアライメント調整)。

スライダーを入れて、荷重線が落ちる位置の微調整(前額面のアライメント調整)に活用しました。

バランスをとるのが難しい方だったため、あえて足部はダイナミックフットといって、サッチフットの一種を選択しています。超低活動でバランスの悪い方には足元が不安定になるのでエネルギー蓄積型足部はおすすめしません。