サイバスロンという義肢を装着した状態で日常生活のパフォーマンスを競う大会がスイスで行われました。
この大会は義肢部門だけでなく電動車いすやブレイン・マシン・インターフェース部門もあります。
最先端の技術がヒトの生活にどれくらい役立てるかを競う大会とも言えます。
私は義足と義手に注目して見ていたのですが、とても興味深い大会でした。
義手部門は電動義手ではなく能動義手が勝っていました。決められたタスクを速く正確にこなすのはまだ能動義手に分があるようでした。
義足部門は日本から私が注目しているBionicMが出場しました。
こちらの結果も興味深かったです。
優勝したのはコンピュータ制御膝継手でも電動膝継手でもなく、古くからある機械式の膝継手でした。
ただし、タイムを優先するあまり義足の膝継手をあえて使っていない場面が目立ち、その姿には違和感がありました。
2位のチームはオットーボックのGeniumという日本で手に入る最も優れたコンピュータ制御膝継手を使っていました。
しかし、こちらのユーザーも物をまたぐ時や階段を登るときに足を大股に開きぶん回すように動いててその姿には違和感を感じました。しかし、坂道を下る時や階段を下りる時はさすがの安定性とスピードでした。
一方、BionicMのチームはタイムこそ遅かったものの、またぎ動作や階段の登りをちゃんと足を交互に出して移動しており、より健常者に近い動きを再現していて自然な動きができているという印象でした。これはユーザーの努力によるところも大きかったのではないかと思います。
BionicMのサイバスロンでの様子はいい意味で期待を裏切るものでした。今後の開発の進展と製品発売に期待したいと思います。