標準的な前腕筋電義手です。
ユーザーさんは子育て世代の女性で、能動義手も併用(フックもハンドも)しています。
仕事でも家でも義手をフル活用されています。筋電義手は主に休日に使っています。
断端が健側比83%で長めなところが特徴です。
断端が長いので、本来なら懸垂方法は顆上支持だけで十分です。
しかし、逆に断端が長いせいで断端をソケットの奥の方まで引っ張り込む必要があり、そのため吸着式を併用しています。
吸着はストッキングを用いて行っています。断端の軟部組織を寄せることで、軟部組織をソケットに沿わせてピッタリさせるのです。ここは分かりにくいところかもしれません。
断端が長い場合はシリコーンライナーを使ってピンロック懸垂にすることもできるのですが、この方の場合はピンロック懸垂にすると断端の先にピンの受け皿であるシャトルロックを入れなければならず、そうすると義手長が健側よりも長くなってしまうので断念しました。
今のソケットがこの方にとってのベストなソケット形状と懸垂方法だと考えています。
筋電ハンドは支給時、i-limbもbebionicも厚労省に認可されていませんでしたので選択肢にありませんでしたが、今後の作り直しで検討するかもしれません。