義足と義手のリハビリテーション

切断のリハビリテーション医療

前腕能動義手(フック)の処方例

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前腕能動義手(フック)

体格が大きな男性が使っている前腕能動義手(フック)です。

仮義手です。

当院では筋電義手を希望される方も、基本的に能動義手のリハビリは経験していただきます。

断端の長さは健側比39%でやや短めです。短いのでしっかり懸垂するために顆上支持式ソケットにしています。

断端が短いために顆上支持式にしても、フックを開くとソケットが回旋してしまうという問題が生じていたので上腕カフを付けて8の字ハーネスにしています。

手継手を迅速交換式にしているので、能動ハンドとの付替えが可能です。

フック先ゴムの枚数はこの方の場合、4枚です。3枚あれば実用的な把持力になりますが、この方の場合は体格が大きくて男性で肩周りの筋力があるので4枚でも余裕でした。

能動義手を作る時は必ず伝達効率を測りましょう。前腕能動義手の場合、当院では伝達効率80%を超えるよう義肢装具士さんに作ってもらっています(ここが能動義手製作の難しいところです)。

今回のユーザーさんは自宅での家事にこの義手を活用されています。能動義手は家事全般で使えますが、特に調理の時にあると役立ちます。

能動義手の欠点はその見た目でしょうか。たしかに未だに昔から変わらないこのデザインはなんとかならないものかと私も思います。

ここはぜひ若い義肢装具士さんたちの創意工夫を期待したいところです。