義足と義手のリハビリテーション

切断のリハビリテーション医療

義足ユーザーに適した靴とは 低活動義足ユーザーの場合

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低活動義足患者に適した靴とは?

低活動の義足患者さんに適した靴は何かという話です。

最近試し始めたあゆみメディカルの靴が良かったので、今回は過去記事を新たに更新し、その靴のことを加えた内容にしました。

対象となる低活動下肢切断者は主に糖尿病や下肢閉塞動脈症といった合併症を持っている方です。

2つの観点から考える必要があります。

踵が低い靴

まず、踵が低いという点は重視した方がいいです。

なぜかというと、義足は基本的に足首が動きませんので、靴の踵の高さによって歩き心地が大きく影響を受けるからです。

低活動者は転倒に十分注意しなければいけません。屋内と屋外であまり足下の状況を変えないことが理想です。

靴を脱いだときにも靴を履いた状態と同じように歩くためには初めから靴の踵を低くしておく必要があります。

高活動者であれば持っている身体能力で多少の踵の高さの差はカバーしてしまうのでそこまで靴の踵の高さに気を使う必要はないかもしれません。

足囲が大きく、中敷きが入れ替えられる靴

次に、足の変形に対応できるという点も重要です。

特に糖尿病を原因として切断に至るような方々はほぼ必ず健側の足変形をきたしています。

どのような変形かというと、まず横アーチが消失していることが多いです。縦アーチは潰れて外反扁平足っぽくなっているパターンと、逆に高くなって凹足気味になっているパターンのどちらもあります。

そのような変形した足でも履けるよう足囲が大きい靴が適しています。

また、変形を少しでも矯正し、足の裏全体で体重を支えてあげるような足底装具を作らなくてはいけません。

足底装具も使うという前提で靴を選ぶ場合、中敷きを入れ替えられる靴を選ぶ必要があります。

足底装具を入れたせいで靴がきつくなって足に傷ができるようでは本末転倒です。

 

このような条件を満たす靴として新たにオススメしたいのはこの靴です。

私はツイッターで紹介してもらったのがきっかけでこの靴のことを知りました。

ヒールピッチ0mm(踵が低い)で、足囲も7Eと私が求めていたニーズにぴったりです。見た目も悪くありません。よくできています。

もともとは脳卒中の患者さんが短下肢装具と併用する目的で作られたもののようです。

低活動下肢切断義足ユーザーにとってもいい靴だと思います。

実際に臨床で試したところなかなかよかったので、現在はこのあゆみメディカルRe-Lifeサポート02 7Eを購入してもらうことが多くなっています。

Vステップもまだ使う可能性はあるかもしれません。患者さんの好みもありますので。