義足と義手のリハビリテーション

切断のリハビリテーション医療

【義足処方例】両側下腿切断 超低活動K1レベル PTBカフベルト懸垂

最近の症例です。

  • 高齢男性
  • 両側下腿切断
  • 切断原因:血管原性
  • 低心機能(EF30%台)
  • 活動レベル:K1

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年齢や全身状態を考えると高望みはできませんでしたが、ご自身がどうしてもまた歩きたいと強く希望されて当院にいらっしゃいました。

この方の目標は自宅の中を見守り〜軽介助で歩くことでした。外を元気に歩き回ることだけが義足リハのゴールではありません。

家の中のトイレまで歩いて移動したり、車いすからベッドまで歩いたり、そういう使い方も義足にはあるのです。

血管原性のため、断端の創部癒合不全があり、義足が装着できないつらい時期が長かったですが、患者さんはあきらめずに頑張りました。理学療法士義肢装具士作業療法士、看護師のチームワークもあり、目標を達成した上でなんとか自宅に退院することができました。

義足処方の内容

懸垂方法:カフベルト

シリコーンライナー:クッションライナー

www.ottobock.co.jp

足部:サッチ(オットーボック)

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このような低活動な方への義足処方では、懸垂方法はカフベルトを選択したほうがいいです。そして、断端を守るためにクッションライナーというシリコーンライナーを使います。

キャッチピンを使ったピンロック懸垂は超低活動者には難しい場合が多いです。義足は安全に履き続けることが大切です。