筋電義手を希望する場合であっても、切断初期においては能動義手(仮義手)を用いたリハビリテーションを行うことを推奨します。
以下が理由です。
- 義手を用いた両手動作を獲得する
- 補助手としての義手の役割と使用法を学習する
- 重さや断端への負荷など義手そのものに慣れる
- 特に新鮮例では義手を使うことで断端の成熟を促す必要がある
1〜3は筋電義手だけでもうまくやればできるかもしれませんが、4は能動義手でやるべきことです。
断端の成熟が進む前に筋電義手を製作してしまうと、すぐにソケットが合わなくなり、筋電義手の操作もできなくなるというトラブルが発生します。
また、例えば水を使った作業や有機溶剤を扱う仕事、溶接の仕事などでは筋電義手よりも能動義手の方が適した場合もあり、用途によっては能動義手を使うメリットもあります。初めから選択肢が筋電義手のみになってしまうと、義手を使ってできることの幅を狭めてしまう可能性があります。