義足と義手のリハビリテーション

切断のリハビリテーション医療

両側大腿切断のスタビーとコンピュータ制御膝継手

義足リハビリテーションの難易度は

下腿切断<大腿切断<<両側大腿切断

という感じで両側大腿切断の難易度はかなり高いです。

ただでさえ大腿切断は難しいのに、両側になるとその難しさは倍以上です。

リハビリの進め方にも特殊な戦略が求められます。

Youtubeにとても参考になる両側大腿切断の方の動画があったので紹介します。

両大腿切断ではスタビーという、ソケットに直接足部をつけた短い義足で開始し、徐々に義足を長くして固定膝継手を入れるようにし、その後遊動膝継手を入れるようにしていきます。

この動画はスタビー義足でいろんなことをしている動画です。


Bilateral Above Knee Amputee "stubbies" demonstration

屋外は両側にコンピュータ制御膝継手を装着して歩行するのが理想なのですが、それがよく分かるのがこの動画。


Bilateral Above Knee Amputee No Wheelchair

ここまできれいに歩けるのは本当にすごいです。

装着している膝継手はGeniumというオットーボックのコンピュータ制御膝継手です。Geniumの性能も素晴らしいと思います。

 

両大腿義足はまずスタビーでしっかり歩けるようになることが重要と考えます。

身体的な強化も欠かせません。リハビリに時間もかかります。

体作りの重要性もこれを見るとよく分かります。ふたりともムキムキです。こういうトレーニングはあえて長い義足を装着せずにスタビー義足でするんですね。その方が安定するからでしょう。


Bilateral Above Knee: Stubbies Workout

両大腿切断は希少な障害のため、医療従事者にとっても未知の部分が多いと思います。

両大腿切断の方々にとってコンピュータ制御膝継手の有用性は片側大腿切断の人以上に高いです(片側切断の人には必要ないと言っているわけではありません)。

少しでも障害のことが理解されて必要な人に必要なリハビリと義足が手に入る社会になるといいと思います。