義足と義手のリハビリテーション

切断のリハビリテーション医療

義足ユーザーが車いすを使うことについて

切断レベルやその人の活動レベルによって車いすを使うこともありだと思っています。

僕は義足とそのリハビリテーションを提供する立場として、患者さんにはできるだけ義足を装着して歩いてほしいと思っています。

しかし、義足を必要とする患者さんの中にはさまざまな合併症を抱えていて、義足を装着しても外を元気に歩けるほどの元気がない方もいます。

そのような方には義足の適応がないかといったらそうとは考えていなくて、その人なりの生活の中で義足を活用してくれればいいだろうと考えています。

すべての移動を義足でできない場合はどう考えるか。その時は車いすを併用すればいいんです。外出は車いすで、家の中を義足を装着して歩く、それでもOKです。

高活動な切断者であれば、下腿義足はもちろん大腿義足でも車いすは不要です。基本的にずっと義足を装着して生活し、義足を履くのが面倒な夜間などは松葉杖、ケンケン、もしくは歩行器で移動することになるでしょう。

要するに患者さんの活動レベルに応じたリハビリテーションの目標設定や義足処方が重要なんです。

義足の処方も低活動な方に高機能で高価なものを処方するのは間違いです。たとえば固定膝継手という膝継手パーツがあります。遊動膝継手の半額以下ですが、低活動な方にはこれで十分(というかこれじゃないとダメ)な場合もたくさんあります。活動レベルとパーツの種類は密接に関係していますので、間違えないようにしましょう。

患者さんの活動レベルや生活環境をきちんと把握し、その方に合ったリハビリテーションのゴール設定と義足の処方をすることがとても大切です。