※この記事は2020年11月4日に以下の記事に更新しました。
切断術後のソフトドレッシングにはスタンプシュリンカーを推奨します - 義足と義手(下肢切断と上肢切断)のリハビリテーション
↑ 弾性包帯によるソフトドレッシング。私が巻きました。
切断直後のソフトドレッシングは大事です。義足を装着するために断端の形を整えていかなければいけません。
そうなのですが、実は切断術を行った急性期病院ではあまり一生懸命やり過ぎないでほしいのです。
切断術直後にあまり断端を包帯でギュウギュウに締め付けると傷の治りが悪くなってしまうからです。
適度な圧迫目的で弾性包帯の代わりにシリコーンライナーを装着してソフトドレッシングとするという方法もあるのですが、抜糸が済んでない状態でシリコーンライナーを装着するのは避けたほうがいいです。シリコーンライナーの中の蒸れた環境は傷によくないです。
弾性包帯をうまく巻けるか自信がなければシリコーンライナーではなくスタンプシュリンカーを使ってください。
スタンプシュリンカーは弾性ストッキングみたいなものです。断端のサイズに合わせたものを選ぶのでほどほどの圧迫が得られ、通気性もいいので衛生的にも問題ありません。
オズール以外にもオットーボックや他のメーカーからもスタンプシュリンカーは発売されています。病院の義肢装具士に言えば手配してくれるはずです。購入する際は自費になるので注意してください。
手術した病院ではとにかく傷を治すことに重点を置いていただき、傷が治ったらリハビリテーション病院やリハビリテーションセンターに速やかに転院させていただければと思います。
回復期のソフトドレッシングは、日中はシリコーンライナー、夜間は弾性包帯かスタンプシュリンカーで行うのが基本です。
ときどき夜間もシリコーンライナーを履かせてしまっている施設の話を聞きますが、これはやめましょう。断端を常に蒸れた環境に置くのはよくありません。
仮義足の入院が終了し、退院したあとのソフトドレッシングは義足が良いフィッティングで履けているならやらなくてもいいです。
断端は体調により大きくなったり、小さくなったりします。体重の増減は気をつけたほうがいいです。私の義足外来では患者さんに会うたびに体重を聞くようにしています。
義足がきついようなら夜間も弾性包帯もしくはスタンプシュリンカーのソフトドレッシングを継続しましょう。