今日の記事は義足に関わる理学療法士、医師、義肢装具士向けです。
できあがった義足のフィッティング(適合)調整でできることは以下の3点です。
- 断端袋で調整
- ソケット内にパッドをあてて調整
- 熱を加えてソケットの形状を修正
1は、1番簡単にできることです。
断端袋という靴下みたいなものをシリコーンライナーの上から履くことで義足のきつさを調整します。
↑断端袋
たまにシリコーンライナーをライナーの下に履く人がいますが正しくはライナーの上に履きます。
断端袋はその厚さにより薄手、1本線、2本線の3パターンがあります。2本線が一番厚いです。
断端の成熟が進んでくると、断端袋の枚数や厚さを増やしていきます。
この調整はユーザー自身でできるようにならなければいけません。
義足に関わる医療従事者はこの調整をユーザー自身でできるよう、よく指導してください。
断端袋の枚数が増えてきたらパッドを足して断端袋の枚数を減らします。
パッドはソケット後面やPTBバーに当てることが多いです。脛骨の内外側に圧がかかるように当てることもあります。パッドをあてる場所はPTBソケットで荷重を支持する部位になることが多いです。
余談ですが、シリコーンライナーを使った現在主流のTSB(total surface bearing)ソケットは、荷重部位に関してPTB(patellar tendon bearing)ソケットの要素を入れないとうまくいかないので、私と義肢装具士の間ではPTSBソケットだなんて呼んだりしています。
2のパッドをあてたり、3の熱を加えてソケットを修正するのは主に義肢装具士にやってもらうことになりますが、パッドをあてるところまでは義足に関わる理学療法士なら実施できるようになるといいと思います。
特に義肢装具士が週に1回しか来ないリハ病院に勤務する理学療法士であれば、断端袋の枚数を調整すること、パッドを貼ってフィッティングを調整することまではやってみるといいです。
そこまでできれば患者さんが義足が合わなくて義足を履けない期間を短くすることができます。