義肢パーツには本当にたくさんの種類があります。
時間には限りがあるためすべてのパーツを試すことはできません。
いくらパーツに詳しい人でもすべてを知り尽くしている人はいないと思います。その必要もないように思います。
ではどのように考えて患者さんに義肢パーツを提供すればいいのでしょうか?
これは私の考えです。
切断患者さんをたくさん診ている施設では自ずと患者さんから評判の良いパーツの知識が蓄積されていきます。
義肢装具士さんやパーツメーカーさんからの情報も入ってきやすいです。
病院単独では義肢パーツの情報が入ってくる機会はほとんどありません。パーツメーカーは病院ではなく、義肢装具士さんと取引があるからです。
これは間違いないというコアなパーツを決めつつ、新たに義肢装具士やメーカーから聞いた評判の良いパーツを試す機会を少しずつ作り、実際に患者さんからの反応が良ければコアなパーツに加えていくという形がいいんじゃないかと思っています。
コアなパーツが増えすぎないことが病院が知識を蓄積していく上でのコツだと思います。
レギュラーメンバーを決めておいた上で、有望なパーツが出てきたらレギュラーメンバーと入れ替えるという感じです。
私の施設ではそのような考えのもと患者さんに試してもらう義肢パーツを決めています。
他のリハ施設や義肢装具製作所からも同じように比較検討した義肢パーツの情報が出てくるようになると、もっと患者さんに適した義肢パーツを選びやすくなるのではと思います。
義肢装具士さんの場合、関わりのあるパーツメーカーの情報を優先しがちと思いますが(ある程度仕方ないのですが)、患者さんのためには他のメーカーさんの情報もできるだけ収集し、有用であれば患者さんに提供するのが理想かと思います。