この研究では、断端神経腫による痛みを予防し、幻肢痛を軽減するためのRPNIの可能性を検討している。
Methods
予防的RPNIの有無にかかわらず四肢切断を受けた患者を対象とした。患者の特徴、切断レベル、術後合併症を確認するために後方視的調査を実施し、神経腫による疼痛と幻肢痛の有無を確認した。
Results
計90名の患者が対象となった。45人の患者が最初の切断時にRPNI手術を受け、45人の患者がRPNIなしで切断術を受けた。
対照群の患者6人(13.3%)が術後に症候性神経痛を発症したのに対し、予防的RPNI群では0人(0.0%)であった(p=0.026)。対照群では41例(91.1%;p<0.0001)が幻肢痛を訴えたが、RPNI群では23例(51.1%)と幻肢痛を訴えた人数が少なかった。
Conclusions
切断術における予防的なRPNIは、RPNIなしで切断術を受けた対照患者と比較して、神経腫による疼痛と幻肢痛の両方の発生率が低く、切断後の神経腫による疼痛の予防は幻肢痛につながる中枢性疼痛メカニズムを減少させる可能性があることを示唆している。