ソケットの内転と外転という表現は非常に混乱しやすいです。どちら方向の調整が内転(外転)だっけ?となりやすいです。
内転と外転はそのソケットの中心線が基準線に対してどちら側を向いているかで決まります。
基準線に対して中心線が内側に引かれていれば内転です。逆に外側に引かれていれば外転です。
例えば基準線に対して中心線が5度内側方向に引かれている場合は内転5度と表現します。
中心線はMPTレベルで内外径を二等分した点と、ソケット下3分の1レベルでの内外径を二等分した点を結んだ線、基準線はMPTレベルでソケットの内外径を二等分した点から地面に対して垂直におろした線です。
足部に対してソケットを外側に傾けることを内転させる、逆に内側に傾けることを外転させると考えることもできます。
ソケットの屈曲と伸展は、向きを間違うことは少ないかと思います。
ソケットの角度調整はソケットの直下についているアダプターのイモネジを時計回り(反時計回り)に回すことで調整します。
足部の直上についているアダプターでもソケットの角度を調整することができるのですが、仮義足リハビリテーションの現場ではこれはあまりオススメしません。
少し難しい話になりますが、荷重線が落ちる位置が角度による変化に加えて、前後・左右の水平方向に変化を生じてしまうためです。
足部直上のアダプターをいじり出すとアライメント調整が分かりにくくなってしまい、仮義足リハで義足に関わる理学療法士は混乱しやすいです。
そのため、仮義足ではソケットの角度調整はソケット直下のアダプターで行うことをオススメします。
その部分での角度調整だけで荷重線が落ちる位置を調整しきれない場合は、スライダーを使うとよいでしょう。
参考:【義足アライメント】単純X線写真から見たスライダーの必要性 - 義足と義手のリハビリテーション
最終更新:2021/06